これは先日、肉のハナマサにて、一瞬目を疑った光景です(写真はノー加工)。

ケロッグ製品の色がありません!

思わず二度見しました。

 

環境負荷削減の取り組み先として、社内で出されたアイディアなのでしょうか。

業務用商品のインクは節約してもいいのではないか→じゃあ写真は思い切ってグレーに!という。

 

中身をただ事務的に買ってもらうんだったら、美味しそうに見せる必要はなくて、機能としてはこれでたしかに充分だと感じます。でも結果的に、ビジュアルの上ではどの商品よりも目立つことにも繋がっている!

「必要を満たすための、引き算のアイディアと思い切りのよさが、結果的に印象的なものに繋がる」

こういうことに、私はデザインというものの格好良さを感じます。

うーん、とにかくかっこいい。

 

– – –

 

どうしたらこの発想に至れるのか、少しだけ考えてみました。

業務用→パッケージシンプルで良い

とざっくり発想だと、

きっとシンプルな商品名だけのものになり、どれも無印良品のようになりそうです。

でも、一つひとつ必要のないものを丁寧に除いていく、という段階を挟むと

こういう発想が生まれるのでしょうか。

 

「フル要素→○○→○○→○○→○○→シンプル」

 

〇〇は、色だったり、サイズだったり。

要素を一つずつ減らしていく過程で、自分にも見えていない発想がありそうです。

 

– – –

 

それから固定観念を疑うことも大事そうです。

「パッケージは美味しそうに見せなければいけない」

ここに囚われていたら多分行きつかない発想です。

 

・業務用

・インク削減

 

この役割と目的にしっかり照準を当てれば、

「モノクロでいける!」と決断ができるのかもしれません。

…と口で言うのは簡単ですが、

この決断はほんとうに、たいへんに、勇気がいることに思います。

 

– – –

 

「デザインは意図が大事」と言います。

事務所で働いていた時に、

先輩が「自分が作ったものは何を聞かれても、全部説明できますね」とハッキリ言い切られていて、

(((( ;゚Д゚))) 全部!?

と衝撃を受けたのを覚えています。

 

それはおそらく、こういう「決断」をしなければいけないときに活きてくるのだと思います。

 

「モノクロのパッケージでいきます」となったときに、

はっきりと目的と役割を強く自覚しておけば、どう突っ込まれても、自信を持って説明できる。

 

決済者の方に、それが却下されれば仕方がないことですが、

そこにプレゼンできる自信や根拠・強い意図を持つことがデザインには大切なんだと、あらためて思い起こされます。

 

正解はないからこそ、どこに向かうかは根拠を揃えた上で、自分で強く定める。
そしてその向きは、できれば誰が見ても納得のいく普遍性があること。

(ここら辺を、かの有名な、カンディンスキーさんは重んじている気がします)

そのためにプレゼンは大事。

 

漫画家の東村アキコ先生も、ラジオ番組の中で

「(美大時代に)デザイン科の子はプレゼンばっかりやらされてた、プレゼンがほんとうに大事なのよ!」

とおっしゃっていました。

 

たぶんこういう「思い切り」を実現するために、必要なスキルなのだろうな、とつくづく思います。

 

– – –

 

・一つひとつ要素を疑う

・固定観念を疑う

・自分の意図を信じる(根拠があれば必然的に自信が持てる)

・相手に根拠を持って説明できる

 

私がハナマサで見たパッケージは、

これらが揃ってようやく生まれたものだったかもしれません。

 

…なんて、大袈裟でおそらくデザイン本で全然書かれていることなのですが!

「肉のハナマサ」での実例?として、お届けしました!

 

ちなみにハナマサで売ってる「お肉屋さんのハンバーグ」はデカくて安くてウマいのでおすすめです!

デカい安いウマいって、景気がいい感じで私は好きです。

 

 

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